3.生涯を通じる健康
 

3.生涯を通じる健康

 ア 知識 

(ア)生涯の各段階における健康

   ア) 思春期と健康

  【理解できるようにすること】

   〇思春期において生じる健康課題にはどのようなものがあるか

   〇また、それは思春期におけるどのような変化に関連するか

    ・心身の発達や性的成熟に伴う身体面、心理面、行動面などの変化に関わる

   〇その変化に対応して、どのような態度や対処が必要か

    ・自分の行動への責任感や異性を理解したり尊重したりする態度

    ・性に関する情報等への適切な対処

  【配慮すること】

   〇発達段階を踏まえること

   〇学校全体で共通理解をはかること

   〇保護者の理解を得ること

   イ) 結婚生活と健康

  【理解できるようにすること】

   〇心身の発達や健康の保持増進の視点からとらえた結婚生活とはどういうことが考えられるか。

   〇受精、妊娠、出産とそれに伴う健康課題にはどのようなものがあるか

   〇それらの健康課題にはどのようなことが関連しているか

    ・年齢や生活習慣など

   〇家族計画の意義は何か

   〇人口妊娠中絶の心身の影響にはどのようなものがあげられるか

   〇結婚生活を健康に過ごすために必要なことは何か

    ・自他の健康に関する責任感 ・良好な人間関係や家族や周りからの支援

    ・保健・医療サービスの活用(母子の健康診査、保健相談)

  【必要に応じて関連付けて扱う程度とするもの】

   〇妊娠のしやすさを含む男女のそれぞれの生殖に関わる機能

   ウ) 加齢と健康

  【理解できるようにすること】

   〇中高年期を健やかに過ごすためには関係することは何か

    ・自己管理(健康診断の定期的な受診) ・生きがいをもつこと

    ・運動やスポーツに取り組むこと ・家族や友人などとの要項な人間関係を保つこと

    ・地域における交流などを持つこと

   〇高齢期の健康課題の特徴は何か

    ・加齢に伴い、心身の機能や形態が変化すること ・その変化には個人差があること

    ・疾病や事故のリスクが高まること ・健康の回復が長期化する傾向があること

   〇高齢社会で必要な対策とその理由は何か

    ・認知症を含む疾病等への対処、事故の防止、生活の質の保持、介護などの必要性が高まる

    ・保健・医療・福祉の連携と総合的な対策が必要

  【触れるようにすること】

   〇心身の機能障害及びリハビリテーションについて

  《内容の取扱い》

   ●思春期と健康、結婚生活と健康及び加齢と健康を取り扱うものとする。

   ●生殖に関する機能については、必要に応じ関連付けて扱う程度とする。

   ●責任感を涵養することや異性を尊重する態度が必要であること、及び性に関する情報等への適切
な対処についても扱うよう配慮する。

(イ)労働と健康

   ア) 労働災害と健康

  【理解できるようにすること】

   〇労働災害はどのように変化してきたか。

    ・作業形態や作業環境の変化に伴い質や量が変化してきた

   〇労働災害を防止するためにはどのようなことが必要か

    ・作業形態や作業環境の改善

    ・健康管理と安全管理(長時間労働を含む過重労働の防止など)

  【触れるようにすること】

   〇仕事のストレスによる精神疾患が含まれていること

   イ) 働く人の健康の保持増進

  【理解できるようにすること】

   〇働く人の健康の保持増進は職場の健康管理や安全管理とともに、どのようなことが必要か

    ・心身両面にわたる総合的、積極的な対策の推進

   〇健康の保持増進を図るために日常生活でどのようなことが心がけるか

    ・積極的に余暇を活用するなどして生活の質の向上を図る

  【触れるようにすること】

   〇メンタルヘルスケアの重要視(ストレスへの気づきへの援助、リラクゼーションの指導など)

 ※法律等を取り扱う際には、個々の名称よりも、こうした法律等が制定された背景や趣旨を中心に
理解できるようにするとともに、ストレスチェック制度などの予防対策の重要性に触れるようにする

イ 思考力、判断力、表現力等

  生涯を通じる健康に関わる事象や情報から課題を発見し、疾病等のリスクの軽減、生活の質の向上、

健康を支える環境づくりなどと、解決方法を関連付けて考え、適切な方法を選択し、それらを説明で

きるようにする。

 <例示>

(課題発見)

  ・生涯を通じる健康における事象や情報などについて、健康に関わる原則や概念を基に整理したり、
個人及び社会生活に関連付けたりして、自他や社会の課題を発見すること。

(ア)思春期と健康

  ・思春期と健康について、習得した知識を基に、心身の発達や性的成熟に伴う健康課題を解決するた
めに、性に関わる情報を適切に整理すること。

(イ)結婚生活と健康

  ・結婚生活と健康について、習得した知識を基に、結婚生活に伴う健康課題を解決や生活の質の向上
に向けて、保健・医療サービスの活用方法を整理すること。

(ウ)加齢と健康

  ・加齢と健康について、習得した知識を基に中高年期の疾病や事故のリスク軽減のための個人の取組
と社会的対策を評価すること。

(ア)労働災害と健康

  ・労働災害と健康について、習得した知識を基に、老有働災害の防止に向けて、個人の取組と社会的
対策を整理すること。

(イ)働く人の健康の保持増進

  ・働く人の健康と保持増進について、習得した知識を基に、生活の質の向上を図ることと関連付けて、
課題解決の方法に応用すること。

(表現力等)

  ・生涯を通じる健康について、自他や社会の課題の解決方法と、それを選択した理由などを話し合っ
たり、ノートなどに記述したりして、道筋立てて説明すること。